3Dプリンターに適したフィラメントの選び方
3Dプリントを始めようとしているなら、プリンターがどんなフィラメントにも対応できると考えがちです。しかし実際には、材料やハードウェアの制限が山ほどあり、それが問題になることがあります。部品を交換するだけで解決できる場合もありますが、マシンのアップグレードや改造をしなければ解決できない、どうしても避けられない制限もあります。ここでは、プリンターが実際にどのフィラメントに対応できるかを左右する主な要因をまとめました。
フィラメント径
適切なフィラメント径を選ぶことは、ある意味基本的なことです。一般的な標準は1.75mm、2.85mm、3mmです。プリンターの仕様には、対応可能なフィラメント径が記載されており、通常はマニュアルやファームウェア/設定画面で確認できます。直径が大きすぎるフィラメント(例えば1.75mmのプリンターで3mmのフィラメントを使用)を使用すると、フィラメントが供給されず、詰まりの原因になります。直径が小さすぎると、フィラメントがホットエンドの溶融ゾーンに適切に接触せず、押し出し不足のリスクがあります。
ほとんどのメーカーは技術仕様書にこの情報を記載しています。取扱説明書やメニュー設定をご確認ください。より高度な設定をしたい場合は、ホットエンドを物理的に改造して異なる直径のフィラメントに対応させることもできますが、正直言って、よほど細かい作業に慣れていない限り、そこまで頭を悩ませる必要はありません。通常は、最初から適切な直径のものを選んでください。
最大押出機温度
フィラメントの融点は様々です。ABS、PETG、ナイロンなどで印刷する場合、ホットエンドの温度が一定の閾値(場合によっては240℃以上)に達する必要があります。エントリーレベルのプリンターは240℃以下までしか加熱できないことが多いため、それ以上の温度で印刷しようとすると問題が発生する可能性があります。プリンターがそこまで加熱できない場合は、すぐに分かります。それ以上加熱できないか、温度表示の精度が低いかのどちらかです。
これを修正するには、通常、加熱カートリッジまたはホットエンドアセンブリの交換が必要です。熱と電気が絡むため、故障や安全上の問題が発生する可能性が高く、細心の注意が必要です。設定によっては、高温に対応するために配線やファームウェアのアップグレードが必要になる場合があります。また、ホットエンド全体をアップグレードしなければ、対応できない場合もあります。ファームウェアの調整で最高温度を上げられる場合もありますが、それはハードウェアが対応している場合に限られます。
加熱プリントベッドの存在
これは特定のフィラメント、特にABSフィラメントや一部の特殊素材にとって大きな問題です。これらの素材は、急激に冷却すると反りやひび割れが発生しやすくなります。プリンターにヒートベッドが搭載されていない場合、それらを使った印刷は悪夢のような事態を招く可能性があります。反り、カール、あるいは印刷途中で失敗することもあります。お使いのプリンターがヒートベッドに対応している場合は、通常、ヒートベッドをオンにする設定があります。または、「設定」>「印刷設定」>「ヒートベッド」で確認できます。
持っていないけれどどうしても必要な場合は、加熱可能なシリコン製のベッドカバーやマットが販売されています。既存のベッドの上に敷いて、耐熱性の接着剤やクリップなどで固定することもできます。プロのヒント:上にガラスや鏡を置くと、水平を保ち、仕上がりが滑らかになります。ただし、ヒートパッドやカバーを取り付けた後は、ベッドの表面形状が変化するため、水平調整が必要になる可能性が高いので覚えておいてください。
ノズルの材質
初心者向けプリンターの多くには真鍮製のノズルが付属しています。これは主に、安価で熱伝導性に優れているためです。問題は、夜光フィラメント、金属フィラメント、カーボンファイバーフィラメントといった研磨性のあるフィラメントで印刷する場合、真鍮のノズルがかなり早く摩耗し、押し出しが不均一になり、表面が荒れてしまうことです。
通常はステンレス製のノズルに交換するのが良いでしょう。ステンレス製は摩耗に強いですが、熱伝導率が低いため、ホットエンドの温度を少し上げる必要があるかもしれません。ノズルの交換は通常簡単です。ホットエンドを温め、古いノズルを緩めて、新しいノズルをねじ込むだけです。ただし、締めすぎには注意してください。ネジ山が損傷する可能性があります。
プリンターがどんな素材に対応しているかテストするためのヒントやコツはありますか?コメント欄にぜひ投稿してください。実際の解決策を共有するのは常に良いことです。